風のように

風のように

長い長い旅路の果てに、

見えた光明。

その気づいた一瞬で、世界が一変したように感じて心が躍る。

今までのこと全てが報われたと、そう思える時がなにものにも代えがたい。

「それで、次はどのような驚きをお求めですか?」

青年が、なんでもおこして見せると得意気に彼女を見た。

「もう十分よ、こんなに笑ったのは久々だわ。あなたって本当に面白いひとね」

「おや、私は龍で、あなたもそうでしょう。ひとでなく」

「それはそうだけれど、今はひとの姿だわ」

「私はこの姿でも自由な風でありたいと思いますよ。縛られた存在ではなく、自由に踊りたいだけだ」

青年は彼女の手を取り、一歩をいざなう。

「それではご一緒に」

「ふふ。……喜んで」

どこからか、ちらほらと光が集まってくる。

今のふたりを祝福するかのように。