本当のあなた

本当のあなた


荒れ果てた地と心のどこかで、救いを求めていた

大げさに振舞う者、遠巻きに噂する者、ただ敬遠する者。

そして私のいなくなったところで和気藹々としている。

それにも慣れた頃、(否、諦めか)

ふとたまに夢の中で君と会う。

「心にもないことを言ってはいけませんよ。殿方は素直な方がよろしい」

「そうだろうか。素直な男など、愚鈍だと思われてしまう」

「そんなことはありません。素直なことは愚かではありません。特に貴方は素直な方がちょうどよい。元々警戒心の強いお方はなおさら、自分から心を開けば、皆にもその心が伝わります」

「私は君だけでいい」

すると彼女は困ったような顔をして、笑うのだ。

そう、君のような存在が


ほしかった