ああ、やはり俺は君を愛している、と。

ああ、やはり俺は君を愛している、と。

「ちゅーされた!お姉さんがちゅーされた!」

年下の龍の子たち囃し立てられ、

照れ隠しに口元を覆う楓と、グッと羞恥心を堪える榊。

迂闊だったかと、内心気後れした心地で、楓を見ると、

彼女は、控えめにこちらを少し見上げてふと微笑みかける。

紅潮した雪紅葉のしんとした美しさ、それでいてパッと華やいだ屈託のない笑み。

その綻んだ表情だけで、恥ずかしさなど吹っ飛び。

ああ、やはり俺は君を愛している、と。

自身のしたことに、後悔など微塵も感じなくなっていた。