そっと

そっと

あなたを、知りたい。

胸の奥に秘めたその心が筒抜けだったなら、どんなに良いでしょう。

とも思うけど、それでは、私の心もハッキリ見られてしまうなら、それは彼の方が望むところだろうか。

私は自分をさらけ出しているつもりでいても、彼はそうは思ってはいないらしい。

「あなたは、不思議なひとです。掴み切れそうにない。またそこが良いのですが」

全く、自分にとっては、あなたの言葉の方が謎だらけだと感じる。

「……なら、言葉ではなく、行動で示しましょうか」

あなたの瞳が一瞬止まる、気がした。私は俯いたまま。

「……あなたが、望むなら」


深い、深い霧のような真白い空に、風に吹かれて消える二つの影。


残された足跡だけが、それを示していた。