儚いようで、強い君

儚いようで、強い君

一見どこかの風に吹き飛ばされそうな、君を見ていて、

たまに見せる言葉の端々から、君の強さが垣間見れて心を震わせる。

「君はどうしてそんなに強くあれる?時々君の見た目と中身に驚かされるよ」

「私は私、それがありのままの私だから、どうして、なんて考えたこともなかったわ。あなたにはそういう風に見えることも、私の一部なのでしょう」

彼女は気取らずに、つとめて控え目に言うが、やはり軸がブレない言葉だ。

「それでも、不安になることだって私にはある。そういう時こそ、自分を認めて愛すのよ」

「よく聞く言葉だが、具体的にどうしたらいいのか私には分からない」

自分で言っていて素直に分からないという言葉が出る自分にも、何だか不思議な心地がした。

あなたには嘘はつけない。

「それは、自分の不安な気持ちを受け止めてあげるの。不安なんだね、と。自身の心は気付いてほしいだけだから。それから、自分が今どうしたいかを自分に問うて……それを自分にしてあげる」

彼女の周りをちらちらと舞う小雪を、それと戯れながら楽し気に話す君。

「何だか照れくさい感じがしないか、私には少し難しい」

「少しずつやっていけば、直に慣れるわよ。最初は照れくさくても」

そうだろうか。また思案する私を、君は柔らかく見つめてくれていた。