夢のあとさき

夢のあとさき

だとしても。

「あなたの手、冷っこいのね」

彼女は無邪気な笑みをこぼしながら。

彼もまた、静かに笑みを浮かべて口を開く。

「あなたの手は暖かいですね」


すると、彼女は顔を背けながら照れ笑いを浮かべた。

夢の続きは。また会うその時まで待っていて。

それまでの、あなたをこちらに結び付けておきたいと。

手を通じて私の心をも伝わるようにと、穏やかでありながら、力強く祈っていた。