力強い君の瞳に、結ばれた盟約は
これでいいのかと思わせる何か絶対的な安心感の元、紡がれる。
「あなたとずっと向き合っていくと決めたの。そうすると私自身のことも深く知れる気がして」
ああ、いつも思う、君にはいついかなる時でも、かなわない。
私の心の底にある何かに気付かせてくれる。
「それはこちらも同じさ。君の話はとても面白い。ユーモアに溢れていて」
彼女は一瞬驚いたように目を瞬き、私の両手を包んだまま肩を揺らして笑みをこぼす。
「ユーモア?ふふ、他愛もない話をしてるだけよ。私としてはあなたみたいにもう少し教養ある話ができたらと思うけど」
「教養など。まあ、そう言われて悪い気はしないが……君の話が面白いのは本当だ」
「……じゃあ、決まりね」
一寸の隙に彼女の瞳に射抜かれて、今度はこちらが驚いて、一拍置いて二度頷き返した。
本当は怯えていたんだ。彼女の肩に並んで私が、と。
しかし彼女の瞳には、自身の気後れなど立ち消えて、今までよりもっと強くなれるような心地にさせてくれる。
私も、君がいつも言うように、相応しい者になれるだろうか。
じっと見つめていると、彼女は恥ずかしさも込めた表情で、気まずそうに目を閉じて口を開いた。
「もう放しても?」
「ああ……いや。もう少しこのままで」
「え……そう」
彼女は目を大きく見開き、困惑した笑みを浮かべた。
理由など簡単だ。慣れていない彼女の表情は、とても新鮮で、
見ていてこの時だけ、君を包み込めるようなそんな気持ちになれるから。