どんなに心が揺らいでも、二人共に在れるなら。
「あなたが傍にいてくれて良かった。どんなに惨めな気分になっても、あなたに話すと心が安らいでくるもの」
千迅は、穏やかな瞳を向けて彼女の言葉に聞き入っている。
「なんだって大丈夫なんだって思えるから。きっと心の中に埋めたかった何かを、完全に思い出すことができる」
それまで忘れていた、何かを想う気持ち。
そこにいてくれればいいと思っていた存在。
小さく儚くも、星のような輝きを持つ存在に。
「あなたの願いが届くように、私は祈っているよ」
深い海の底のように安心感を与えてくれる存在に、末永く見守られながら。