どこまでも静かな紺色を君と

どこまでも静かな紺色を君と

「あなたの好きなところへお行きなさい」

薄衣のような絵巻から、躍り出た一匹の龍が、自由自在に空を泳いで行く。

静寂に包まれたこの世の中で、彼女は淡々と物語絵を紡ぎ続けていく。

誰に届くかも分からない、いつ届くのかも。

それでも、流し続けなければ、届くことはない。

それなら、きっとその日を信じて、

この世に送り出し続けることを、この絵巻に誓って。