川本喜八郎先生演出の作品「道成寺」を久しぶりに観ました。
おどろおどろしい雰囲気が、人形によって醸し出されているような気がして、やはり人形ってすごい。そしてそれを生み出した先生も。
怖い空気感で敬遠されそうですが、ぜひこちらの作品も大勢の方に観てみて欲しいです。
安珍は清姫から逃げまくってましたが、実際、あんな美人の女人に寄り添われたら、逃げる気失くしそうなものだと思うのです。
少なくとも私が男だったら愛してしまうだろうなあ。好き好きと純粋に心を示す女子はとてつもなく可愛いのだ。
この二人を見ていると、私の好きな韓国アニメの「プッカ」を思い出します。それも、プッカは村で一番可愛いとされ愛されているキャラ。
それでも大好きなガルには見向きもされないという・・・
美人なのに意中の人には好かれない、ある意味不憫なキャラ。
それでも好きな気持ちの一心で、プッカは追いかけます。
清姫自身は、許せない!という怒りの気持ちで追いかけていたのでしょうが、最期には大蛇から人に戻り哀しげな表情をして入水してしまいます。
安珍を焼き殺すまでの怒りの気持ちに彼女自身戸惑い気付いた時にはもう・・・
プッカのように追いかけ続ける物語なら微笑ましい気持ちにもなれたのでしょうが、この物語は当然コメディではないし終わり方は切ない。
ですが、だからこそ怖い雰囲気や人形が生きているのだと思います。
それにしても、清姫は追いかけた先で、安珍に何をするつもりだったのか、(焼き殺さなかった場合)
「どうして戻ってきてくださらなかったの」と問い詰めたその先は、
やはりプッカと同じように追いかけ続けるか、安珍の方が折れて夫婦となったのかも・・・