それでいいと思っていたあの頃。
あなたの魂に曇りが生まれることも知らず……私は、
あなたを囲い、愛でて、愛でて。明くる日も。
それがどんどん、穏やかに、淀むことはないにせよ。
ふとした時のあなたの、物憂げな顔が。それを物語る。
あなたの魂が、本当に求めているのはこの私?
それとも……
「たまに心躍る夢を見るのよ」
ぼんやりとした天の川も既に過ぎて、すっかり高い空が見える。
「自分の何かを燃やし尽くして、とっても満ち足りている私がいる夢」
「……奇遇ですね。私も。何か、失っていたものを取り戻したような。命をまた吹き返したような心地で全力で駆けっている姿がぼんやりと」
はて、それは、いつだったか。彼女にも彼にも。
巡る世の中の、たった一滴の雫が二龍にはとても愛しく思えた。そして懐かしくも。
それを獲りにいきたいと、ふつふつと感じていた。
二人で。