心の水面に映し出された、魂の耀きを広く保とう。
何者にも脅かされることのない、聖域は
あなたとふたり、いつでもここに。
「ところで、君はここで誰かを待っているのかい?」
龍の宮でいつ何時も揃って漂う私たちは、ひっそりと言葉を交わし合う。
「誰も。どうして?」
「ならばいい」
少しずつの、微妙に近くて遠い、あなたの心の側面が。
私に触れて、そっと寄り添ってくれる。
黙っていても、穏やかに柔らかな雰囲気を放つあなた。
「本当は、あなたを待っているのかも」
私の言葉に少し振り向いた気配で、彼はちょっとだけ狼狽しているのかもしれない。
「ふふふ……。特に深い意味はないわ」
小さく笑みを浮かべて眼前の、あなたを映し出す心の波紋を見つめた。