私が今までやってきたことを、
こうして豊かさの形として表れてきたことが嬉しくて。
中身はなんでも、といいつつ。それでも。
嬉しい贈り物をいただくと、ああ、
どんなときもやってきてよかったな、と心から思えるのである。
そうして、自分の能力を発揮するだけで、楽しくなっていく。
「誰の目にもとまってないなんてこと、なかったじゃないか」
千迅が珍しくも穏やかな表情で声をかけた。
「そうね。ほんとうに」
千歳の声は少し震えている。心で嬉しさを噛み締めて、それを暖めているようだ。
「私がやってきたことって無駄じゃなかったのね」
「当たり前だろ。無駄なわけあるもんか。それは君が一番よく知ってるはずさ」
「ふふ、そう、思っていたけれど、でも。やっぱり心のどこかで自信を持ちきれない自分がいたの。だから良かった」
ふと千迅を見上げる千歳。
「そして隣に私のこの思いを受け止めて喜んでくれるひとがいてくれることも」
「ふふん、まあ……なんだ、俺のことは気にせず、君の好きにやったらいいさ」
「それ。本当にそう心から思ってる?」
「う……最近君はちょっと意地悪くないか」
「ふふふ、そうかしら」
彼女の瞳はいつまでも楽しそうだ。そして彼も。
心に満ちていく、暖かいものが、今のふたりには十分に感じられてきていた。