君の心と水芭蕉

君の心と水芭蕉

雲の晴れ間から、瑞々しい空が顔を見せて。

「あなたとこうして話していられるのは、とても楽しいが……私と共にいるのは退屈しないだろうか」

「どうしてそのようなことを?私は、こうして傍らにいるだけで楽しんでいます」

彼女、白菊はあっけらかんとした様子で、素直に話している。

神峯は少し戸惑いつつも、心の中では彼女の雰囲気に癒されていた。

白菊の心はどうだろうか。神峯はそれが気がかりで。

君の心まで分かれば、ここまで悩むことなどないのに。