聞くところによれば、ある男がそっと夜に願いをかけた時のこと。
塩気のない空気に、柄にもなく、天の神に塩を振りまきながら。
これまた、男には珍しく、真面目な顔をして舞い、それを待っていた。
たまには、神に委ねてみるのも悪くない。そう思ってのことだった。
すると、たちまち待ち望んでいたそれは現れた。
まるで、奇術師のように、バッと派手に広げられた手から様々な花や、動物などが
次々と現れて、こちらをワクワクをさせるようなものだ。
今までにない、新しい刺激が、近づいているのだと
これまでを見送りながら。
新しい世界を待っている。否
もうそれはすぐそこまで来ていた。