自分を見せるのが怖くて、明るく振舞うけれど、
いつか。遠いどこかで、君に打ち捨てられてしまうのではないかという不安。
がっかりさせてしまうのが嫌なんだ。
本当は心の奥深くで繊細な自分がいて戸惑いも隠し切れずに
「恥ずかしい気持ちになるだろ。そんなの君には見せられないよ」
まるで子供のように呟く千迅は、千歳には本当の少年のように一瞬見えたが、
彼の傍らに寄り、そのまま、
「あなたが自分をどう思っていても、私はあなたを恥ずかしいなんて思わないわ」
「でも失敗だらけだ。君に何も素晴らしいものを見せられない」
「別になにもなくたって毎日素晴らしいわ。あなたといるとそう感じる気がする」
彼女は嘘は言わないし、そして彼は彼女に嘘はつけない。
「そしてあなたとそう感じていたい。これからもずっと」
ただ、そばにいるだけで。
それだけで十分なんだ。