あの日見た、自然体のあなたに心惹かれて
想いを深めて、絶えず募らせる。
いつの間にやら心の中に住むあなたを
あなたの主でさえも恨めしく、手に入れたいと。
しかし、やはりあなたの隣にいるのは、越えられない壁。
「雪紅葉が曇り空に映えますね」
彼女はそう言って私に向けられたものではない微笑みを主に向ける。
「静かに降り積もる雪の中で咲く花の如く、堂々と、私たちもかくありたいものね」
ああ、敵わない、きっと。
紅葉には雨など到底。それでも、、、
”あなたには白銀だけでいい”
そんな一言を放ってやれたら、こんなにもどかしくもならないのに。