あなたと共有するこの空間が、何よりも愛しい。

あなたと共有するこの空間が、何よりも愛しい。

心の奥に葛藤を抱えながら、恐々と進み出たところへ。

あなたは暖かく、そして時に弾けるような雰囲気で受け止めてくれる。

「随分お待たせしてしまった」


「そのようなこと、気になさらないで」



彼女の花のような表情を見ていると、心の内で感じていた不安など全てが吹き飛ぶようだった。



ああ、もっと早くにこうしていたら。


自分にそれを許していたら。


もっと楽になっていたと過去の自分に教えてやりたいくらいだ。



「あなたのことをお聞かせください。大きなことでも。小さなことでも」

全てを。



あなたと共有するこの空間が、何よりも愛しい。

そんな自分の心に照れくささを覚えながら、頬を撫でる風を心地よく感じていた。