「こうして星を眺めていると、何だか心がすっとした気持ちになるね」
そよそよと風に揺れていたあなたの短い横髪を見つめていたけれど、ふとこちらに向いて、穏やかな笑みを浮かべた。
「そうね。心がだんだんと凪いできて落ち着いてくる」
「そうやって、いつも私の隣で、凪いでいてくれると助かるんだが」
彼は少し意地悪く微笑みかける。
「私が流れ星のように様々飛んでいくのはいや?」
「いいや、そんな君を見ているのも楽しいが。しばらくはここで、ひと所に落ち着いてくれても構わないよ」
それはあなたの望みではと、クスクス笑いながらなんと返したものかと思案する。
「分かったわ。しばらくはここにいる」
あなたと繋がっていたいのは、私も同じだから。
彼の髪がゆらゆらとまた愉し気にゆれて、満天の空を見上げていた。