暗がりの中の光

暗がりの中の光

一気にどん底に突き落とされたような心地になっても、

君という光が傍にいる限り、俺は息絶えようとは思わない。

が、それでもどうしても苦しい時は、もう叫びたくなるほど悲鳴を上げている我が心は、

彼女の鈴のような声で癒されていけばいい。

「あなたはとてもお強いのね。以前から知っていたけれど」

「暗闇の中でしか見つからないものがある、月並みだがそう思いながら、生き抜いてきたからこそだ、俺は強くなどないよ」

ただ、消えなかっただけさ。今までも、これからもきっと。

そうするうちに見えてくるもの、探していたものに辿り着ける。

「それに君がいるから」

儚げに見えて力強い君の瞳に支えられてきたことを、俺は今さらにも悟っていた。

俺はきっとまだここに生きていられる、どんなに先が見えなくとも、次に進めなくても。

きっと流れゆく大河の一滴、それがさだめ。