興味があるなら

興味があるなら

「あなたが絵巻を読んでいるなんて珍しいわね。何を読んでいるの?」

「君が読んでいるものより、だいぶ大人な代物だよ」

榊は大胆に楓に近づき囁きかける。

「君も試してみるかい?」

彼女は少し気後れしたが、一呼吸置いて答えた。

「まあ。結構よ」

それは残念、と彼は含み笑いを浮かべた。