辿り着いた場所

辿り着いた場所

世界を君と共につくれたら。

そう響いて、苦しくとももがきながら、行き着いた場はとても華やかな桃源郷。

いつの間に天に召されたか、そう問うと、彼女はゆったりと見上げてくる。

「あなたがつくった場所よ。あなたが望んだ」

そして私も……小さな花に視線をやった彼女の横顔は美しく、聡明だった。

武者震いでもない、背中がゾクゾクとした感覚で、

新たな世界に身体がついていけてなくて落ち着かない。

「君もついてきてくれるかい」

自身の高鳴る胸に手をあてて、桃の花を見上げて訊ねた。

「ええ、もちろん」

彼女の笑みはまだ子供らしさが残っているのが、自分の浮足立つ心中を現わしているかのようで、

ほっと息をついた。