毎夜毎夜、語り明かすこの時がとても愛しく。
何者にも代えがたいもの。
その時、今まで自身が求めていたものがちっぽけに思えて仕方がない。
「この時こそ私が求めていたものだ」
彼女の耳元に呟くと、純真な瞳で射抜かれる。
「私も、ただこの共にある時間がとても尊いものだと実感していたところよ」
じっと交わされた視線に、こちらの気がそぞろになり、
さっと目線をそらしてそしまう。
「あなたはいつも真っ直ぐにものを言う。眩しい時があるよ。無自覚なことも相まって」
「無自覚なことはないわ。いつでも真っ直ぐな私でいたいから」
自分がこうでありたいと、願ってそれを選んできた結果が、彼女の耀きに繋がっているのだろう。
自身もそうであるならば。捻くれた私も、
あなたのように多少でも素直な心地でいられるようにと、あなたと共にあれるようにと切に願う。