「あの時いただいた文はとても私の心に響いたの。美しい言葉の数々が、星の輝きの如く……」
紅葉が川に流れるように、さらさらと絶賛する楓に、榊は戸惑いを隠せない。
「ああ……もうその辺りで……」
褒められるのは満更でもないが人前だとこそばゆい。
「好きならなんだって心から湧いてくる言葉を伝えたくなるものよ」
「あなたは純粋に語り過ぎる。私には眩しい」
嬉しくもあるが抵抗もあり。
あなたから無尽蔵に湧いてくるその愛を独り占めしたい、いや、
してもいいのかと、躊躇いもあり。
自身の心にも戸惑う榊であった。