心をめったに揺さぶられない、
そんな絶対的な自負があった。
しかしそれは呆気なく消え去る。
私らしくもないと一蹴りしても、
彼の人の雪の如く真白で透き通った肌に目を奪われずにはいられない。
「あなたは昔と全く変わりませんね」
「まあ。それはどのように受け取ればよいかしら」
彼女はどこまでも純真な瞳で訊ねてくる。
「ご想像にお任せします。あなたが受け取りたいように」
愉快そうに口元を隠す様子を見て、うまく免れたものだと思われたに違いない。
今さらどうということもない。
雲隠れしていた時より余程いい。
あなたの微笑みが間近に感じられるなら。