あなたを一目見た時、その人だと。
ずっと待ち続けていた、あなただと。
被りの衣があって良かったとも思うけれど、やはりそれに意味はなく、一瞬捉えた瞳がそれを物語っている。
小雨の中から晴れ間が覗く頃、白と黒が混在して、それを待ち望んでいたというのに心がこそばゆい。
一定の距離があった時は、それを心の奥でもどかしく、時には恨めしく思っていたのに。
その気持ちを悟られまいとしていた自分が遠い昔のことのように思える。
空には黒龍と白龍が、追いかけっこをして戯れていて、華やかに。
無邪気に楽しむ二柱の龍を見習いたいと人知れず思う。
過去は流して。
私の心も今この時に目を向けよう。